今年の夏も、暑いうえに湿度が高く、寝苦しい夜に悩まされた人は多かったことでしょう。こうした熱帯夜による睡眠不足が、胃腸障害の原因になることをご存じでしょうか。
そのカギとなるのが「メラトニン」というホルモンです。メラトニンは脳の松果体という部分から分泌され、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。光が当たると減って目が覚め、暗くなると増えて眠くなります。良質な睡眠をとるためには欠かせないホルモンです。
また、メラトニンはビタミンEの数倍の「抗酸化作用」を持っています。体の細胞のサビを取って、細胞をイキイキと蘇らせる効果があり、さまざまな病気を予防したり、改善する作用があるのです。メラトニンの投与によって、ネズミの寿命が延びたという研究結果も報告されています。
メラトニンの胃腸に対する効果としては、胃潰瘍を改善する作用があることが実験で確認されています。また、過敏性腸症候群の症状に対しても、改善効果があるという報告があります。メラトニン3ミリグラムを就寝前に摂取した被験者は、2~4週間で腹痛や腹部の張りなどの症状が減ったのです。
夏バテ胃腸は秋口に立て直せ