夏バテ胃腸は秋口に立て直せ

睡眠が胃腸の調子を左右する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年の夏も、暑いうえに湿度が高く、寝苦しい夜に悩まされた人は多かったことでしょう。こうした熱帯夜による睡眠不足が、胃腸障害の原因になることをご存じでしょうか。

 そのカギとなるのが「メラトニン」というホルモンです。メラトニンは脳の松果体という部分から分泌され、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。光が当たると減って目が覚め、暗くなると増えて眠くなります。良質な睡眠をとるためには欠かせないホルモンです。

 また、メラトニンはビタミンEの数倍の「抗酸化作用」を持っています。体の細胞のサビを取って、細胞をイキイキと蘇らせる効果があり、さまざまな病気を予防したり、改善する作用があるのです。メラトニンの投与によって、ネズミの寿命が延びたという研究結果も報告されています。

 メラトニンの胃腸に対する効果としては、胃潰瘍を改善する作用があることが実験で確認されています。また、過敏性腸症候群の症状に対しても、改善効果があるという報告があります。メラトニン3ミリグラムを就寝前に摂取した被験者は、2~4週間で腹痛や腹部の張りなどの症状が減ったのです。

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江田証

1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染認定医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界で初めて米国消化器病学会で発表した。著書多数。