数字が語る医療の真実

欧米で人気 「尊厳療法」の効果と日本での反応

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 欧米で有効性が広く認められている終末期の治療として、「Dignity Therapy」(尊厳療法)というものがあります。終末期の患者がこれまでの人生を振り返り、残される人に対するメッセージを届ける治療法です。インタビュアーとの面接を記録して文書に取りまとめ、それを患者自身が確認したうえで、家族や友人に手渡したり、送り届けます。

 これまで最も印象に残った出来事、最も大切に思っていること、人生から学んだこと、残される人に伝えたいことなどが文書化されます。ビデオや録音を使用するケースもあります。

 この治療法の効果はランダム化比較試験で検討されています。余命6カ月以内の末期がん患者を対象に、「標準的な緩和ケア」と「患者中心のケアという精神療法」とを比較して、「尊厳のスコア」「不安・うつのスケール」「生活の質」などを検討しています。その結果「尊厳療法」で最もスコアが良いことが示されました。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。