予備軍は要注意「たかが風邪」の油断が糖尿病の引き金に

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「脱水状態になると、血液中の水分が失われ、血液の成分が濃くなります。その分、血糖値が上昇するのです。また、通常であれば高血糖になると血液中の余分なブドウ糖は尿の中に排泄され、尿と一緒に体外に排出されます。しかし、脱水状態で尿の量が減ってしまうとブドウ糖も排出されないので、血糖が上がってしまうのです」(辛院長)

 たかが風邪だと甘く見て症状を長引かせてしまうと、糖尿病につながる危険があるのだ。

 風邪の症状を緩和させるために服用される薬にも注意が必要だ。

 たとえば、せき止め薬の成分である「メチルエフェドリン」には、血糖値を上昇させる作用があり、糖代謝に異常をもたらす。メチルエフェドリンは、漢方薬でせき止めの成分として使われている「麻黄」という生薬にも含まれている。麻黄は「葛根湯」などの漢方薬に使われている。糖尿病患者はもちろん、糖尿病予備群や高血糖を放置している人は、うかつに飲まないほうがいい。

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