あの話題の治療法 どうなった?

「病腎移植」の是非 機運が高まれば否定しないが…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 腎臓のドナー不足といえば、ちょうど10年前、愛媛県宇和島の病院で万波誠医師が「病腎臓移植」を行い、社会的に大きな話題になった。

 たとえば「腎臓がん」の手術では、摘出した病腎は捨てられてしまう。こうした病腎の患部を取り除いて腎移植に回し、再利用することは不可能なのか。

「現在のところ、『病腎臓移植には反対』というのが私の基本姿勢です。4センチ以下の小径の腎臓がんでは、腎臓を全部摘出するのではなく、部分的に切除する方法が奨励されるようになってきています。ただ、病腎移植について、関連学会などで多くの前向きな研究論文が出てくるなど、そうした機運が高まれば、検討するテーマとして否定はしません」(山本助教)

 病腎移植容認の可能性は極めて低そうだ。

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