では、どうやって予防するか。腕も脚も適度に圧迫すると、むくみが解消しますから、弾性着衣を利用すると効果的ですが、ただし過度な締めつけは逆効果なので、必ず専門家のチェックを受けたものを使用すること。肥満はリンパ浮腫を助長します。メタボ予防や適度に腕を動かすのもよいでしょう。
それでもよくならないケースには、スーパーマイクロサージャリ―と呼ばれる形成外科手術などの治療を行います。“渋滞”しているリンパ管を近くの静脈につなげてバイパスを作るのです。
リンパ液の通り道のリンパ管は0・3ミリで、静脈は0・8ミリ。それらをつなぎ合わせる針は20分の1ミリ、糸はその半分です。ミクロの世界の手術なので、スーパーマイクロサージャリ―と呼ばれます。
リンパ浮腫はつらい術後後遺症ですが、対処法はありますから、乗り越えることができるのです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁