ベジタリアンはヘルシーなイメージがありますが、菜食主義者ががんになりにくいということではありません。動物実験の結果ですが、肉も野菜も食べる雑食ネズミは、野菜のみの菜食ネズミより2倍近く長寿です。
■高齢者でも肉を
南カリフォルニア大学の研究によると、66歳以上だと、多くのタンパク質を摂取したグループは少ないグループに比べてがんによる死亡率が60%も低く、全死因の死亡率も3割近く少なかったことが分かっています。高齢者ほど適度な肉の摂取が大切なことがうかがえます。
肉食文化が定着し、若者では大量の肉を取る人がいますが、高齢者の動物性タンパク質の摂取量は欧米よりはるかに少なく、大豆はじめ植物性タンパク質の量が多くなっています。高齢者がことさら肉の摂取量を減らすことはありません。肉も野菜も炭水化物もバランスよく食べるのが一番です。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁