独白 愉快な“病人”たち

「先生とは好相性でした」 山田邦子さん乳がん闘病を語る

デビューからすでに35年(C)日刊ゲンダイ

 でも、酸素マスクを外した途端、「痛ああああ!」と叫ぶほど胸に痛みを感じたんです。すると、かわいい看護師さんが私の顔をのぞき込んで「今、座薬入れましたから」とニッコリ。思わず「誰が!?」と叫んでしまって、手術室で爆笑されました。座薬を入れられたことにまったく気づかなかったんですよね。もう何も威張れないなと思いました(笑い)。

 つらかったのは、退院後、1カ月ほど通院して受けた放射線治療が終わり、ホルモン治療に切り替わったころです。毎日1錠の薬を飲むだけなので、病院に行くのは半年に1回だけ。普通なら、よかったと思うところですけど、病院から離れることが寂しくてね。さらに5年後、半年に1回の通院も終わってしまったら本当に寂しくなっちゃって、用もないのに病院の近くをうろついたりしてました。「荷下ろし症候群」というそうで、あとから先生に「頑張った人がみんななるのよ」と言われました。

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