お酒を大量に飲んでいると、アルコール性心筋症を発症する場合もあります。アルコールの過剰摂取によって、心臓の細胞間質にアミロイドというタンパク質が沈着し、抗体反応が出るなどして心筋が弱ってしまう病気です。動悸、息切れ、胸痛、むくみ、不整脈などの症状が表れ、病状が進行すると心臓のポンプ機能が衰えて心不全を起こしたり、死に至るケースもあります。早期発見なら断酒すれば改善しますが、重症化すると心機能は元に戻せません。
一般的に、1日80~90グラムの純エタノール換算量を5年以上にわたって摂取すると発症するといわれていて、日本酒なら5合、ビールなら大瓶4~5本を10年以上毎日飲み続けるとそれに該当します。お酒の飲み過ぎは禁物なのです。
一方で、アルコールは心臓にプラスの影響を与えるという報告もあります。飲酒と心筋梗塞の発症率の関係を分析した米ハーバード大の研究では、「お酒をまったく飲まない」か「週に1回未満飲む人」に比べ、「週に3日以上飲む習慣がある人」の発症率が最も低いという結果でした。アルコールには、HDL(善玉)コレステロールを増やしたり、血液の固まりやすさを抑える作用もあるので、心臓疾患に予防的に働く側面もあるのです。
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