リウマチ予防で注目 「女性ホルモン」補充療法の可能性

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■エストロゲンに自己免疫疾患を抑える作用が

 では、なぜ関節の痛みなどにHRTが有効なのか?

 宮地医師が着目したきっかけは、リウマチが疑われる患者に抗リウマチ剤や生物学的製剤などを2カ月間投与しても良くならなかったことだった。

 しかしこの患者が、更年期の不定愁訴に対するHRTを受けたところ、関節痛が緩和。その後もHRTを続け、関節症状はなくなった。

 それ以来、リウマチと更年期の研究を続け、閉経前はピル、閉経後はHRTがリウマチを予防するとの結論に至った。

「リウマチの発症は40~60歳女性に圧倒的に多い。更年期に近くなると女性ホルモンの量の変動が激しくなり、閉経による急激な減少と関係していると考えています」

 最近、エストロゲンにはリウマチをはじめとする自己免疫疾患を抑制する働きがあると、海外の研究者からも発表があった。また、日本ではリウマチ患者の男女差が大きく、これは女性ホルモンとの関係が考えられるが、HRTを意欲的に行う欧米、オーストラリアでは、HRTで更年期以降もエストロゲンの量を保つことで、リウマチ患者の男女差が日本ほどではない。

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