がんと向き合い生きていく

科学的に「がんにならない方法」は本当にあるのか?

都立駒込病院の佐々木常雄名誉院長(C)日刊ゲンダイ

 次に、「ウイルスや細菌の感染」からの発がんも科学的に示されています。主なウイルスでは、肝臓がんと関連するB型、C型肝炎ウイルス、子宮頚がんのヒトパピローマウイルス、白血病の成人T細胞白血病ウイルス。細菌では胃がんの一因になるヘリコバクター・ピロリ菌が挙がります。対策としては感染を避ける・防ぐ、あるいはワクチンの投与、治療薬の投与があります。

 これらとは別に、科学的根拠のある「がんを遠ざける生活習慣」はあるでしょうか?

「肥満」は、大腸がんや閉経後乳がんのリスクを高めることが分かっています。

 一方、痩せ過ぎもがんのリスクを高めます。太り過ぎない、痩せ過ぎないことが、がんのリスクを遠ざけるのです。

 適正な体重とは、日本肥満学会の判定基準では「BMI:18・5以上25未満」とされ、BMI(BodyMass Index=体格指数)は「体重<キログラム>÷(身長<メートル>×身長<メートル>)」で計算します。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。