あの日、救急搬送されて病院に着いた後のことは、あまり覚えてないんです。でも、応急処置が終わって医師に肩をポンポンと叩かれて、「あなたは脳梗塞ですよ」と言われたとき、「ふ~ん」と思ったことは覚えています。事態がのみ込めてなかったんですよね。どこも痛くないし、脳梗塞という病気のこともよく分からないし、何が何だかポカンとしていました。
2014年10月下旬のことです。前日まで何事もなく、体調の異変も感じていませんでした。翌日は夕方5時から舞台のリハーサルということで、「朝、ゆっくり寝ていられるな」と安心しながら、いつものように大好きなお酒をおいしく飲んで寝たんです。
目が覚めたのは、なんと翌日の夕方5時すぎでした。「まだ現場に来ていない」とマネジャーから夫の携帯に連絡が入り、仕事場から慌てて家に戻ってくれた夫に起こされたのです。
■「ちゃんとしゃべれてないよ」
独白 愉快な“病人”たち