あの話題の治療法 どうなった?

高濃度ビタミンC点滴 欧米でもう臨床試験が進んでいる?

つらい副作用がないがん治療(C)日刊ゲンダイ

「日本と違って、欧米ではこの治療法の関心が高く、複数の大学で臨床研究が進んでいます」

 そのひとつが米国のカンザス大学でステージ3と4の卵巣がんの患者27人に行われた臨床研究。標準的な抗がん剤治療と、併用して週2回・1年間の高濃度ビタミンC療法を行った群とを比較したところ、抗がん剤の副作用が3分の1に減少、再発までの期間が16.8カ月から25.5カ月に延長したという。

 ジョンズ・ホプキンス大学ではステージ4の前立腺がんの患者を対象に、従来の抗がん剤治療群と、高濃度ビタミンC療法併用群との比較試験が行われているという。

「ビタミンCの血中濃度が高まると過酸化水素と呼ばれる活性酸素を大量につくり出します。正常細胞はこれを中和する酵素を持っているので問題ありませんが、がん細胞にはないので、過酸化水素が取り込まれると細胞死に向かうのです」

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