このままではEさんの命が危ない、そして開発された有効な治療法がここにある……。いろいろな議論がありましたが、結局、支援団体の声もあって、まず治療してみることになりました。そして、見事にたった1クールで肺の“影”はすべて消えたのです。
Eさんは、さらに治療コースを重ねてから帰国されました。余談になりますが、Eさんは入院中に担当していた看護師さんを「お嫁さんにして帰る」と言いだし、ビックリした看護師さんが逃げ隠れしていたのを思い出します。
精巣腫瘍は、睾丸に発生するがんですが、20~40歳に最も多く見られます。比較的まれながんですが、この年代の男性では最も多いがんなのです。痛みはなく、睾丸の腫大に気づくことが多いようです。原因ははっきり分かっていませんが、停留睾丸(胎児のころ、精巣が陰嚢の中に下りてこないまま途中で止まった状態)や打撲などが考えられています。
がんと向き合い生きていく