夏こそ要注意…腎臓は「運動で元気になる」の落とし穴

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 英国の研究チームは、腎臓病患者を運動しない通常治療の群と1日40分の運動を週3回行う群とに分けて1年間追跡。前者は腎機能が悪化したのに、後者は大きく改善したと報告している。

「CKDの患者さんは原疾患として糖尿病や高血圧などを抱えています。運動でこれらの原疾患が改善することで、腎機能も回復するのです。ですから、ウオーキングであれ、水泳であれ、CKDのステージに応じた運動をすることが大切なのです」

 CKD患者に有効な運動とされるのが「有酸素運動」と「筋トレ」だ。CKDの重症度分類は5段階に分かれ、3までは積極的に運動し、4や5であっても尿毒素などの影響が出ていなければ運動は続けるべきだとされている。

 問題は、最近、筋肉量の低下により全身が衰えるサルコぺニアのリスクや、筋肉が分泌するホルモン(マイオカイン)が「心臓病」「がん」「うつ」などの予防に役立つと話題になっていること。ならば、少しでも筋肉量を増やそうと、無理して肉などのタンパク質を取る中高年が増えているのだ。

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