熱中症と勘違い 猛暑で増える肺血栓塞栓症に突然死リスク

こまめな水分補給を忘れずに(C)日刊ゲンダイ

「速やかに肺血栓塞栓症と診断され治療を受けられた場合の死亡率は2~8%。しかし、診断が受けられなかった場合は死亡率が高くなり、30%といわれています」

 原因は主に3つある。「静脈の血管が傷ついた」「静脈の血流が悪くなった」「先天的、あるいは後天的に、血液が固まりやすい体質」だ。このうち、夏は2つ目の「静脈の血流が悪くなった」に注意したい。

「夏は熱を放出するため血管が広がり、血圧が下がって血流が悪くなる。加えて、水分補給が十分でなく脱水症状を起こすと血栓ができやすくなり、肺血栓塞栓症のリスクが増すのです」

 重症例では、突然、失神や心停止を起こす。しかし軽症、中等症では、呼吸困難、全身倦怠感、不安感、動悸、冷や汗などで、特有の症状はない。「なんとなく具合が悪い」といった訴えもあり、熱中症と間違えやすい。

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