前回の手術で取り出し忘れたのでしょう。プラスチック製だから体に“悪さ”をしなかったのですが、これが金属製だったら危険だったかもしれません。術後、患者さんにそのことを伝えると、激高されていました。それも当然でしょう。
心臓手術では、丁寧に慎重になりすぎて時間がかかりすぎてしまうのはよくありません。そのため限られた時間の中で“通り一遍”のことを確実に行うことが大切です。しかし、それがしっかりした通り一遍なのか、いい加減な通り一遍なのかによって、手術の“仕上がり”に大きな違いが出てくるのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」