5年ぶり指針改訂 高コレステロール薬はやはり飲むべきか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「LDL―Cは低いに越したことはない。特に心血管疾患を発症し、2次予防で服用している人は、“thelower,thebetter”なのです」

「LDL―Cの下げ過ぎは死亡率、脳出血の発症率を上げる?」も、よくある質問だ。ところが日本の17年以上の追跡調査で「低コレステロールでの総死亡率上昇は、肝疾患、潜在性のがんなどによる死亡率の上昇があったから」と判明。つまり、死亡率は「上がらない」。

「LDL―Cはかなり下げても問題にはなりません。ただし、スタチンの通常量で極端に数値が下がる人は、がんなどが隠れている可能性があるので検査が必要です」

 なお、「スタチンでがんが増える?」の質問もあるが、それを否定する研究結果が出ている。

 認知度は低いが、早急な対策が求められるのが「家族性高コレステロール血症(FH)」だ。突然変異の遺伝性疾患で、生まれた時からLDL―Cが180以上(通常は140以上が脂質異常症)。男性では20代から冠動脈疾患を発症したり、突然死もある。若い年代の発症リスクは、FH以外の人の20倍ともいわれる。全国のFH患者総数は25万人以上と推定されている。

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