がんの治療は、手術と放射線、抗がん剤が3本柱で、根治できるのは手術と放射線です。血液がん以外の固形がんを抗がん剤で根治することはまずできません。これがセオリーですが、75歳以上の高齢者はケース・バイ・ケースで“治療しない”という選択肢もあり得るということをご存じでしょうか。
国立がん研究センターは今年8月、がん治療の実態調査を発表。それによると、ステージ4の大腸がんで治療しなかった人の割合は、40~64歳で4.6%でしたが、65~74歳で6.7%に上昇。75~84歳は14.7%に急増し、85歳以上は36.1%に上っています。
ステージ4の胃がんはその傾向がさらに強く、75~84歳で24.8%、85歳以上では56%と2人に1人です。ステージ4の肺がんも同様で、85歳以上は58%が治療を受けていません。ほかのがんのステージ4でも、年齢が上がるほど「治療なし」が増えています。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁