「遺伝性乳がん・卵巣がん」対策を阻む日本人の家意識

欧米より20年の遅れ(C)日刊ゲンダイ

 小倉さんが願うのは「予防切除を希望する人が、それを選択できる社会」。今回の厚労省の動きで一歩近づくのではと、期待している。

■HBOCとは

 親から受け継いだ特定の遺伝子変異により発症。HBOC患者の乳がん、卵巣がん発症リスクは一般の人より高く、乳がんは女性で41~90%、男性で1・2~6・8%、卵巣がんは8~62%。発症前に予防切除すれば、リスクを大幅に下げられることが分かっている。

▽おぐら・たかやす カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長を経て2015年から外信部長。英国の乳房予防切除の実態報告で日本人初の英外国特派員協会賞受賞。

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