医者も知らない医学の新常識

「100歳を過ぎても元気」を2つの物質数値で科学的に推測

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 老化というのは病気ではなく誰にでも起こることです。しかし、100歳を過ぎても元気で歩くことが出来て、認知症もない、という人がいる一方で、70代で認知症が進行したり、骨粗しょう症による骨折で歩けなくなる人もいます。これは老化のスピードの速さによると思われますが、それを決めているものは何でしょうか? 

 2015年の検査と治療の専門誌に掲載された論文によると、イタリアで100歳を越える長寿の人と、70代から80代の人とを比較したところ、「オステオポンチン」と「ガレクチン3」という2つの数値が、100歳を越る長寿の人では低下していて、その2つの数値からその人が、100歳を越えて元気であるかどうかが、科学的に推測出来る、という興味深い結果が報告されています。

 オステオポンチンというのは炎症を起こす物質で、体を守る免疫細胞の老化に伴って、産生量が増えると考えられています。ガレクチン3というのは、これも老化の原因とされている最終糖化産物と関係の深い物質です。この2つの数値が低いということは、老化の進行が遅いということを示しているのです。

 オステオポンチンを減らすには内臓脂肪を減らすことが大切で、ガレクチン3を減らすには、食後の血糖を上げないことが大切ですから、老化というのは日々の生活の中で、予防が可能なものになってゆくのかも知れません。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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