末期がんからの生還者たち

中咽頭がん<1>7年前に左首に小指大の腫れを発見し

三枝幹弥さん(提供写真)

 三枝さんは、「正直、困ってしまいました。でも、がんは切除したら治ると思ったのです。ところが自宅に帰ってネットで自分のがんを検索して、初めてことの重大さに気がついたのです」と語る。

 同病院から「がん研有明病院」を紹介され、再び精密検査を受診した。やはり「中咽頭がん・進行ステージ4」と診断される。

 後がない末期がん。妻、父らが集まり家族会議を開いた。会社の運営をどうするか。

 子どもは(当時)7歳、5歳、3歳の3人。写真館を訪ね、家族で七五三の記念写真を撮ったとき、長男から、「パパ、病気なの? 死んじゃうの?」と聞かれた。

「そのとき初めて死を考えました」(三枝さん)

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