気鋭の医師 注目の医療

世界初! AIを使った画像診断でがん見逃しリスクを減らす

ただともひろ胃腸科肛門科の多田智裕院長(C)日刊ゲンダイ

 ITエンジニアらと組んで開発したこのAIには、ピロリ菌感染者と非感染者の計1750人分、3万2208枚の胃内視鏡画像データが使われている。胃内部を8つの領域に分類し、その特徴をディープランニング(深層学習)という手法で学習させているという。

 多田院長がAIの開発に着手したのは、浦和医師会で胃がん検診の読影委員を務めているからだ。胃がん検診がレントゲンから胃カメラに置き換わり、画像のダブルチェックでは1時間に3000枚以上も目を通さなくてはいけない状況にある。

「その負担を感じていたときに、AI研究の権威である東大の松尾豊先生の講演を聞く機会があり、『AIの画像認識能力が人間を上回り始めた』という話をされていたのです。だったら、自分たちで内視鏡用のAIを作ってしまえばいいと。昨年1月から開発を始めたのです」

■医師70人が1年がかりの仕事も2時間で

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