HPVワクチンの接種を検討しているお子さまと保護者の方へ――厚労省は先月18日、従来の「子宮頚がん予防ワクチン」を「HPVワクチン」として新たにパンフレットを公表しました。
子宮頚がんワクチンというと、副反応問題が話題になったことをご存じでしょう。今回の名称変更は、それをウヤムヤにしているのではなく、より病気を広く捉えたもので、世界の流れに沿った対応といえます。しかも、男性にも大きく関係するのです。
子宮頚がんの発症原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染がほぼ100%で、中咽頭がんや肛門がんなどもHPVが原因であることがわかっています。その現実を捉えると、子宮頚がんワクチンではなくHPVワクチンとするのが妥当。このうち男性に大きく関係するのは、中咽頭がんです。
HPVはセックスが媒介し、膣に感染するのが子宮頚がん、喉に感染するのが中咽頭がんです。膣と喉を結びつけるのはオーラルセックスにほかなりません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁