クスリと正しく付き合う

死に至る「肺炎」が薬の副作用で発症するケースもある

初期症状は空咳が特徴(C)日刊ゲンダイ

 血液検査に加えて胸部X線、CTなどの画像検査で診断を行います。

 間質性肺炎を起こす可能性のある薬として、細胞障害性のある抗がん剤の一種(ブレオマイシンやマイトマイシンCなど)が知られています。これらは使用を開始して数週間~数年で間質性肺炎を発症する恐れがあります。ほかにも、肺がん治療薬のゲフィチニブ(イレッサ)は、4週間以内(特に2週間以内)に起こりやすいといわれています。

 もっと身近な薬である解熱消炎鎮痛薬や漢方(小柴胡湯など)でも、間質性肺炎の副作用が起こることが知られていて、これらによる副作用発現の好発現時期は1~2週間です。飲み始めは特に注意が必要だといえるでしょう。

 副作用の断定はとても難しいものです。ですので、服用する薬が変わった時や新しい薬を飲み始めた時には、とりわけ体調の変化に気を配ってください。その意識が副作用の重篤化を防ぐことにつながるのです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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