3月は自殺最多 独身の中高年男性は「4つのリスク」に注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 目立つのは独身男性の自殺。男性の自殺者数は女性の2.2倍で、独身男性の自殺率は妻帯者の3倍近い。2016年の人口動態統計によると、45~69歳の自殺男性5079人のうち、妻帯者は2195人、未婚1581人、死別117人、離別1176人だった。

「2007年の国民意識調査によると、今までの人生で少なくとも1回以上本気で自殺を考えたことがある人は調査対象者の2割に達しています。しかし、実際に自殺願望を行動に移す人は多くはありません。自殺行動を起こすハードルが高いからです。例えば死に対する恐怖や自分を傷つけることへの罪悪感、痛みへの恐れ、将来への希望や期待、仕事への責任感や家族への配慮などです」

 逆にいえば、独身の中高年男性にとって3月は自殺のハードルが低くなりがちだということだ。

「自殺の危険因子は“自殺未遂歴”“うつ病などの精神疾患の既往症”“未婚・離婚・死別に対するサポート不足”“地位の失墜などの喪失体験”のほかに“強度の怒り”があります。他者への激しい怒りがあり、その抗議の意味を込めて自殺する場合もあります。中高年サラリーマンにとって3月は転勤や異動による将来の不安や、定年や役職定年などの地位の喪失感などが重なり、心が不安定になりがちです」

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