皮膚を科学する

脱毛をすると幸せが薄く? ストレス癒やすC触覚線維とは

スキンシップによって安らぎや多幸感が(C)日刊ゲンダイ

 C触覚線維はストレスを癒やす効果もある。ストレスがあると「視床下部→下垂体→副腎皮質」の順に反応が起こり、コルチゾールが分泌されて臓器や脳に悪影響をもたらす。しかし、触覚刺激は視床下部の手前でその働きをブロックする機能を持っているため、その後のストレスの影響が小さくなるのだ。

 そんなC触覚線維だが、実は体毛の末端につながっているといわれるという。では、脱毛や剃毛すると、皮膚をさすったときの気持ち良さは感じにくくなるのだろうか。

「C触覚線維は有毛部にしかなく、手のひらと足の裏以外は全身に分布しています。ですから、きちんとした実験報告はありませんが、脱毛をすると皮膚をさすったときの気持ち良さの“幸せ度”は薄くなると思います。それにC触覚線維の刺激は脳の島皮質に直結しているので、あまり若いうちに体毛を脱毛や剃毛すると自己意識が希薄になる可能性があります」

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