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【がんとテロメア】短くなった場所ががん化する

相田順子副部長(提供写真)

 逆に言えば、テロメラーゼ活性を抑制する物質が、有効ながん治療薬になる可能性もあるが、他の組織幹細胞や生殖細胞に影響しないかが課題になる。

 また、正常細胞のテロメアを伸ばす薬(細胞の老化防止)が開発されても、逆にがん発生の原因になる危険性があるという。

 いま同研究チームが精力的に進めているひとつは、テロメアを短くしてしまう生活や環境のリスク因子の追求だ。一般的にがんのリスクとされる「過度の飲酒」「紫外線」「アスベスト」「たばこ」「膵液の逆流」などが影響した細胞は、明らかにテロメアが短くなることが確認されているという。

「欧米では『瞑想』や『ヨガ』などでテロメアを伸ばす研究が進んでいますが、日本ではまだあまり研究されていません。『鍼灸』『日本食』などでテロメアを伸ばす効果があるか、研究を進めたいと考えています」

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