末期がんからの生還者たち

大腸がん<1>「検査室の異様なやりとりでがんを予感した」

岩井ますみさん(提供写真)

「働く女性のためのがん入院・治療生活便利帳」(講談社)や「アロマテラピー事典」など、10冊を超える著書を持つ岩井ますみさん(54歳、千葉県市川市在住)は、幅広いビジネスを手掛けている。

 カラーコーディネーター、アロマテラピーインストラクター、さらに自宅近くに、色を中心にしたおしゃれや配色などを教える「大人のおしゃれレッスン」教室を開き、認知症予防専門士としても活動している。

 高校時代は水泳、バドミントン、大学ではスキー、テニスで青春を満喫し、人並み以上の健全な体力に恵まれていた。むろん、普段から健康には十分に気をつけてきた。

 毎年1回の健康診断も欠かすことがなかったが、2007年12月、43歳のときに自宅近くのクリニックで受けた健康診断の結果に、初めて黄信号がともる。

 それまでの10年間「健康状態は正常、問題なしのA判定」が続いていたが、「便潜血に陽性が出ています。ほかに貧血があります」という結果だった。岩井さんはこのとき医師から、「貧血の方は食事に気をつけ、少し様子を見ましょう」と言われたという。

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