末期がんからの生還者たち

大腸がん<1>「検査室の異様なやりとりでがんを予感した」

岩井ますみさん(提供写真)

 急きょ、大腸組織の生検を行い、やがて車椅子に乗せられてレントゲン室に移動した。腹部の撮影が終了して、1時間ほどベッドに横たわり、再び診察室に呼ばれる。担当医からこう説明された。

「たぶんお分かりだと思いますが、良い状態ではありません。手術を受ける必要があるかと思いますが、次回、来るときまでに病院を決めておいてください」

 岩井さんが会計を済ませて病院を出ると、外はもう真っ暗。広い駐車場に、岩井さんの車だけが1台ポツンと残されていた。

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