実録 父親がボケた

<1>始まりは5年前…メールの文面がひらがなだけになり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 この春、私の父は喜寿を迎えた。超高齢社会の日本で「77歳はまだ若い」と思うかもしれないが、父はこの数年猛スピードで老けていき、年齢不相応のボケっぷりを発揮した。

 現在は自分の足で立つのもおぼつかない。ヨチヨチどころかヨボヨボ。足腰が衰弱し、車椅子がなければ外出できない。排泄の失敗は日常茶飯事で、紙パンツからもダダ漏れる。しかし、残念なことに大病もなく、内臓はすこぶる元気でよく食う。

 そんな父が老人ホームデビューすることになった。紆余曲折あったのだが、母の介護疲労が限界を超えたというのが最大の理由だ。

 一応、娘としてはあの手この手で父の老化防止策を講じてきたつもりだ。正直に言う。「老化は誰にも止められない」と。酒もたばこもたしなまない父が、驚異のスピードで寝たきりまっしぐらなのだから。アンチエイジングなんてウソっぱち、と声を大にして叫びたい。

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吉田潮

1972年生まれ、千葉県出身。ライター、イラストレーター、テレビ評論家。「産まないことは『逃げ』ですか?」など著書多数

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