新薬も承認された白血病はどんな病気? 2つの注目治療とは

アナウンサーの大塚範一さんも白血病と闘病中(C)日刊ゲンダイ

 今回の新薬はCD22分子を標的とした国内初の分子標的薬(抗体抱合薬)になる。

 もうひとつ注目されているのが、微小残存白血病(MRD)の除去。検査法の進歩で、これまでは確認できなかった白血病細胞も確認できるようになった。そのMRDは、最新の検査で調べると、分子標的薬の投与で早い段階から陰性になることが確認できる。

「再発・難治性急性リンパ性白血病では標準治療が確立されていません。CD22を標的にした治療は、MRDの除去率が高く、今後治療成績の向上が期待できます」(薄井客員教授)

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【リンパ系幹細胞とは】 血液は骨髄で造られる。造血幹細胞からリンパ系幹細胞と骨髄系幹細胞に分かれ、リンパ系幹細胞はリンパ球に、骨髄系幹細胞は赤血球、血小板、単球、顆粒球に成長した後、血液中に放出される。リンパ球、単球、顆粒球はまとめて白血球と呼ばれる。

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