新薬も承認された白血病はどんな病気? 2つの注目治療とは

アナウンサーの大塚範一さんも白血病と闘病中(C)日刊ゲンダイ

 移植後の5年生存率は60%だが、5年を過ぎても移植に伴う後期の合併症によって生存曲線はゆっくりと下がる。

 しかし、移植は寛解が得られない患者や再発患者に治癒をもたらす治療でもある。

 一方で、初回の化学療法(移植を含む)で完全寛解に至った後再発した例や、初回寛解導入療法の終了までに、完全寛解に至らなかった例もある。

 これらを「再発・難治性急性リンパ性白血病」といい、初回と同じ抗がん剤あるいは異なる抗がん剤を複数用いた化学療法が行われる。近年注目されているのが、分子標的薬を用いた治療だ。

「表面抗原タイプCD19とCD22を持つ急性リンパ性白血病は8割を超えているのですが、これらを標的としたのが分子標的薬です。従来の治療では、再発や難治性では完全寛解率が30~50%で、長期生存は10%未満。この結果を改善するために必要なのが、分子標的薬の導入です」(東京慈恵会医科大学付属第三病院腫瘍・血液内科・薄井紀子客員教授)

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