役に立つオモシロ医学論文

人生が大きく変化したつらい経験で脳の老化が加速する?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 対人関係や家族との死別、金銭的なトラブルなど、人生におけるつらい経験は、健康状態に何らかの影響を与えるようです。寝つきが悪くなったり、食欲が低下したりと、単なるストレスでは済まされないことも多いはずです。

「人生におけるつらい経験と脳年齢の関連」を検討した研究論文が、老化と神経細胞学の専門誌の電子版に2018年3月8日付で掲載されました。

 この研究では、359人の男性(平均62歳)が対象となり、「離婚」「配偶者の死亡」「子供の死亡」「親友の死亡」「収入の大幅な減額」「突然の解雇」「深刻な病気の発症」など人生が大きく変化したようなつらい経験と、認知機能や社会・経済的状況などが調査されています。

 被験者はまた、MRI検査(脳の状態を知るための検査)を受け、得られた脳の画像は特殊な解析ソフトにより分析されました。脳年齢はコンピューターソフトによって計算され、つらい経験との関連性が検討されています。なお、脳の老化に影響を与えうるアルコールの摂取状況や、心臓病のリスク、社会・経済的状況、人種などを考慮し、統計的に補正を行って解析しています。

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青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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