身近な山も要注意 登山前に受けるべき検査を山岳医に聞く

対策はしっかり(C)日刊ゲンダイ

■とっさの対応が難しい

 橋本院長は、がん体験者の登山活動を支援している。準備をきちんとすれば、がん闘病中であっても安全に登山を楽しめる。しかし、その準備を怠れば、特に中高年は、たとえ“ハイキング気分で行ける身近な山”であっても、いろんな要因が重なって、“最悪の事態”につながる可能性があるのだ。

 では、どんな対策をすべきか?

 高所登山や高所旅行をする人向けに、登山者検診ネットワークに参加している医療機関が実施する「登山者検診」がある。身長、体重、腹囲、血圧、心電図、胸部レントゲン写真、呼吸機能検査、血液検査、尿検査に加え、今までの登山歴、日常の運動量などの結果から、登山医学会会員医師が高所登山・高所旅行の危険度を判定する。

 ただし、登山者検診の費用は医療機関によって異なるが2万円前後で保険適用外。そこで橋本院長は、高所登山をする人に限らず、すべての登山者に、まずは自治体が行う健康診断を受けることを勧める。

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