実録 父親がボケた

<6>認知症進行で貯金おろせず泣く母 ドンパン節を歌う父

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 認知機能が低下し、生活に支障を来すのが認知症だ。銀行でお金を下ろせなくなったのは明らかに支障だ。姉から聞いた話では、高速道路で期限切れのクレジットカードを使おうとして渋滞を起こし、通行料金の値上げのせいだと狂ったように主張したこともあったという。姉は認知症専門医に見せたほうがいいと考えていたようだ。

 しかし今に至るまで、病院で認知症の検査は受けていない。検査にどれくらい意味があるのか、私には分からない。認知症と診断されても、特効薬があるわけでもない。父は降圧薬など5種も服用中なので、これ以上薬漬けにしたくない。

 検査を受けさせるべきだった?世の中はそんなにきっちり線引きしているの? 介護認定は早めに申請すべきだが、認知症と断定すべきかどうかはケース・バイ・ケースだと思う。

 つまり、父は正式には認知症ではない。自立不能な人と家族で認識した。それでいい。 

 ちなみに預貯金は無事で、母が全て管理することになった。

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吉田潮

1972年生まれ、千葉県出身。ライター、イラストレーター、テレビ評論家。「産まないことは『逃げ』ですか?」など著書多数

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