がんと向き合い生きていく

「連携手帳」はがん患者が安心して自宅で過ごすために役立つ

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 つまり、Hさんの場合はA拠点病院での抗がん剤内服治療、定期の検査予定などが手帳に示され、高血圧と高脂血症の診察はR内科医院で引き続き行われます。発熱や他に症状が表れた時はR内科医院で診て、必要に応じてA拠点病院に紹介されるという流れです。

 がん患者が安心して自宅で過ごせる、いわば“2人主治医制”ともいえるかもしれません。他の病気になって、別の医療機関を受診する場合でも、この連携手帳を持参すれば治療内容が正確に伝わるため、診療に役立つのです。

■問題点も指摘され見直しことになっているが…

 このような5大がん(肺がん・胃がん・肝がん・大腸がん・乳がん)の地域連携クリニカルパス(手帳)は、国のがん対策推進計画によって作られることになりました。手帳の内容は主に以下の4部から構成されています。

2 / 4 ページ

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

関連記事