ニオイが消えたら黄信号 認知症は嗅覚を鍛えて予防・改善

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「昼夜でにおいの種類を変えたのは、朝は交感神経を刺激して体を活動的な状態にして記憶力を強化することが必要だと考えたからです。逆に夜は副交感神経を優位にし、不眠改善や不安軽減を期待しました。目的に合ったにおいを探すため、多数の文献から各6種類の候補を選び、それぞれ第1、2位をブレンドにしました。その方が効果を期待できるからです」

 認知症の患者は時間認知が衰える。結果、一日の生理リズムが崩れ、深夜の徘徊などが起こる。アロマセラピーはその改善も期待できるという。ちなみに現在のアルツハイマー病の研究の中心は「病気の原因は脳神経に蓄積するアミロイドβだから、その量を減らせばいい」とする「アミロイドβ仮説」だ。しかし、それを基にした創薬研究はことごとく失敗している。

「それは対象患者と投与のタイミングの間違いに過ぎず、仮説自体は正しいと考えています。より軽度の認知機能低下の状態(軽度認知障害=MCI)から早期にアミロイドβを除去すれば結果は違ったと思います」

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