正社員で働く発達障害の人々

「やってきたことは必要な流れ。今後は長く勤めたい」

篠聡志さん(提供写真)

 後輩に分かりやすく仕事を教えるために、篠さんはパソコンで自作のマニュアルも作成。通勤のため朝6時前には起きるので、午後は疲れてしまうこともあるが、そういうときは昼休みのほか、午後3時に10分間ある休憩時間に、休憩スペースでひと休みする。

 そのほか、書類のファイリングや、本社の社員の経費請求書のチェックといった業務も行っている。休日には演劇の市民サークルでの活動もしている。6月末には役者として公演にも参加した。

「回り道をしたようにも見えますが、振り返ればいままでやってきたことは、全部必要な流れだったように思います。これからも健康を維持して、いまの会社に長く勤めるのが目標ですね」

 発達障害という自分の特性を知り、それに合った職場を見つけることで、篠さんの能力は開花したのである。

(この項おわり)

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