もう真夏…熱中症で死なないために知っておくべき病気と薬

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 汗の量が著しく減る病気といえばシェーグレン症候群や全身性強皮症、アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気が有名だ。汗腺が萎縮して汗が出にくくなる。治療で使われるステロイド外用薬は汗腺などの働きを抑制する作用がある。

「高血圧や心臓、腎臓の病気で利尿剤を飲んでいる人も注意しましょう。こういう人は医師からの指示で減塩しているはず。塩分を取り過ぎると、血液の浸透圧を一定に保つため血液量が増えて、血管に圧力が加わり、心臓や腎臓に負担がかかるからです」(石原院長)

 治療に利尿剤を使うのは血液から水分を抜いて血液量を減らすため。日常的に“脱水状態”である以上、短時間でも炎天下や熱気がこもった部屋にいれば、すぐに汗が尽きてしまう。もともと塩分が少ないぶん、汗で体内から塩分が少しでも排出されれば、体内のミネラルバランスが崩れて発汗システムに障害が起きやすい。それも熱中症にかかりやすい原因となる。また、熱中症で血流が低下すると血液をろ過して尿をつくる腎臓の働きが弱まり、体内に有害物質がたまる。急性腎障害を起こすこともある。

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