河北健診クリニックでは、内科医と放射線科医が胸部X線検査の結果をダブルチェック。14年の企業健診では内科医が「要精密検査」と診断した一方、放射線科医は乳頭が写っていると「異常なし」に。判断が分かれたのに、より専門性が高いという理由で、放射線科医の意見が優先されたことに問題があります。
私も会見で提示されたX線画像を見ましたが、肋骨2本が重なる場所でやや分かりにくい位置の腫瘤ではありますが、異常ありと判断すべきケースと思われます。
大規模な病院なら10万件近い画像検査が行われるので、意見が割れるケースは決して珍しくありません。そういう時は、どちらかを優先するのではなく、リスクを考慮して念のため精密検査に回すべきでしょう。
15年の企業健診では、別の内科医と同じ放射線科医が画像診断を担当しましたが、前年と変化がないということから「異常なし」。今年1月の区の肺がん検診では、いずれも別の内科医2人が担当し、腫瘤影が薄くなったような所見があり、「異常なし」と診断されたそうです。最初の診断が疑われることなく、引き継がれたように見えなくもありません。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁