Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

東てる美さんTV企画で判明 肺腺がんは早期発見でほぼ治る

東てる美さん(C)日刊ゲンダイ

「早期発見でラッキーでした」

 周りの人にそんなふうに喜びを語っていると伝えられたのは、女優の東てる美さん(61)です。医療番組の企画で5月に人間ドックを受診。心臓を中心に精密検査を受けたところ、X線検査でたまたま左肺に影が見つかり、その後の精密検査で肺腺がんと判明したといいます。

 病期はステージ1b。腫瘍は3センチほどで、休養して摘出するとか。その後の報道によると、「日常生活で息苦しさや肺の不調を感じることはなかったようで、週に2、3回はフラメンコのレッスンを受けており、体は健康そのもの」と報じられました。

 症状も前触れもなかっただけに、本人は驚いたようですが、東さんは両親をがんで亡くし、酒もたばこもたしなむそうです。それだけに「私もいつかがんになる」と覚悟していたといいますが、症状がない状態で発見された喜びが大きいのでしょう。「今後は、検診の重要性を伝えたい」と語っているそうです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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