がんとは何か

ヘビースモーカーでもがんにならない人がいるのはなぜ?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■修復酵素の能力の違いも関与か

 興味深いのは、たばこに含まれる有害物質は、そのままの状態では発がんのイニシエーターにはなれないと考えられていること。あくまでも体内で代謝される過程で、発がんを導きやすい活性代謝物が生成され、それがDNAと結合。遺伝子異変を起こしてがん化が始まると考えられているという。

「薬物や毒物を体外へ排出するための物質にする反応を薬物代謝、それを促すために欠かせない酵素を薬物代謝酵素といいます。たばこの場合、CYP2A6と呼ばれる薬物代謝酵素が、たばこの煙に含まれるニトロソアミンと呼ばれる発がん物質を活性化することがわかっています。ただし、CYP2A6の遺伝子には遺伝子多型がある。そのため型の違いにより、同じ喫煙者であってもがんになりやすさが決まっているのではないか、と考えられているのです」(一石英一郎教授)

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