近づく子供の自殺最多の日…兆候と親の対処法を医師に聞く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、家庭問題で過酷な状況に置かれている子供は少なくない。経済的理由から親が子供の孤独感に気付きにくい場合や家庭が崩壊して、子供が途方に暮れている場合も多いという。

「たとえば父親の暴力で離婚して母一人、子一人で暮らしている。そんな子が、ある日、母に恋人ができたことを知る。“たった一人のお母さんまで奪われてしまった”と思うかもしれません」

 友達関係も良好で一見、何の問題もなさそうでも学業不振による将来への不安に死ぬほど悩んでいる子供たちもいる。

 ただ、思春期を迎えた子供たちは弱みを見せたくないし、親に心配をかけたくないという思いも強い。学校でいじめに遭っていればなおさらだ。しかも「親に相談しても騒ぎになるだけで解決にはならない」と考える傾向がある。

「それでも自殺リスクのある子供はサインを出しています。学校でも家庭でも孤立しているかもしれないし、イライラして機嫌が悪くて、声をかけても返答がないかもしれない。それでも、親は声をかけるのをためらってはいけません。子供は話を聞いてないわけではない。親のかける言葉はすべて聞こえています。聞こえないふりをしているだけです。親は、子供を守る最後の砦です。だからこそ、親は子供たちの言動に注意を払い、いつでも見守っていると言葉で伝えていってほしいのです」

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