■ピロリ菌除菌と早期発見を心掛ける
もうひとつは、ほかの胃がんリスクを一つずつ潰すこと。ピロリ菌感染で胃炎がある人が塩分の高い食事や喫煙、ストレス過多の生活を重ねると、胃がんリスクを助長するのです。
たとえば、都道府県別で胃がん死亡率ワーストの秋田県は、塩分摂取量が全国1位。男性の喫煙率は全国7位で、胃がんリスクを重ねやすい土地柄です。それでなくても日本食は栄養バランスがよく健康にいいものの、ネックを挙げれば塩分過多になりがちで、海外より多くなり気味だけに、胃がん原因のベースにあるピロリ菌除菌が大切なのです。
そうやってきちんとリスクを排除し、なおかつ検診をしっかり受ければ、たとえ胃がんでも早期発見できます。胃カメラ検査は、バリウム検査より胃がんの早期発見に有効で被曝の心配もありませんが、粘膜の下で進行する「スキルス性胃がん」についてはバリウム検査が効果的。バリウム検査もおろそかにできません。
怖いがんとしての胃がん報道に不安を感じる人こそ、ピロリ菌除菌と早期発見を心掛けてください。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁