「すぐに手術しないと余命1年です」
築地の国立がん研究センターでそう言われたんですから、信じるしかないですよね。
でも、その時はまだがんを取ってしまえばすぐに治るんだろうと思っていました。
事の始まりは、2016年の春ごろです。それまで約2年かけて、舞台で全国130ステージを回っていました。それが終わってホッとした途端、風邪をひいてしまったんです。大したことないと思っていたのですが、熱が下がらず近所の病院へ行ったら「肺炎」と言われ、そのまま入院になりました。
いい機会だから他もいろいろ調べてもらおうと思い、「去年ぐらいから食べ物の通りが悪く、喉が詰まるような感じがする」と訴えました。すると、検査で「食道に腫瘍があります。恐らく悪性でしょう」と言われてしまったんです。
初めは「ウソだろ? この俺が……がん?」と信じませんでした。
独白 愉快な“病人”たち