生物学的製剤は炎症に関係する因子サイトカインを細胞外でブロックして細胞に炎症を起こす刺激が入らないようにする薬。
一方、JAK阻害剤はサイトカイン受容体からの刺激を伝えるJAKという酵素を阻害して、炎症を抑制する薬だ。
田中教授の診療科の患者3000人が登録し、生物学的製剤を導入可能かどうか入念にスクリーニングを行った後、生物学的製剤の治療を開始。1年後に再検査を行ったところ、約3分の2で症状が軽減したが、残りは中程度の症状が残った。JAK阻害剤は、メトトレキサートや生物学的製剤で効果が不十分だった患者でも関節破壊を抑制するという研究結果が出ていることから、今後に期待を寄せている。
「生物学的製剤は点滴か注射でしか使えませんが、JAK阻害剤は内服が可能。生物学的製剤を含むリウマチ治療を行っている914人を対象にした調査で、75.8%は内服薬を好むとの結果が出ています」