意外に知らないホルモンの実力

臓器に情報を伝達し体調を微調整する“メッセージ物質”

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ホルモンは特殊な細胞が集まった内分泌腺でつくられ、そのある場所を内分泌臓器という。ホルモンを分泌する主な臓器は、脳内の視床下部や下垂体、甲状腺、すい臓、副腎、肝臓、腎臓、腸、卵巣、精巣などがある。

「数多くのホルモンが全身をめぐりますが、それぞれ厳格に決められた特定の細胞だけに作用します。それは、各ホルモンの命令を受け取る特定の細胞(標的細胞)には『ホルモン受容体』があり、カギとカギ穴の関係にあるからです。ただし、1つのホルモンに対する受容体は1種類だけでなく、全身に複数存在する場合が多く、受容体ごとに異なる作用を及ぼしているのです」

 例えば、「オキシトシン」というホルモンは分娩(ぶんべん)時の子宮収縮や授乳時の乳腺刺激をするが、男性でも分泌されていて、子供やパートナーへの愛情を高める作用をする。

 ホルモンは感情をも動かす力を持っているのだ。

2 / 3 ページ

関連記事