「オプジーボ」の効果があるのは2割 “夢の薬”の現実と課題

オプジーボは今後どうなるか(京大・本庶佑特別教授)/(C)共同通信社

 細胞を直接攻撃しないため副作用が比較的少なく、条件が揃っている患者には劇的な効果が表れるケースもある。「有望な薬なのは間違いないが、まだよくわかっていない点も多い」と、岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏(薬剤師)はこう続ける。

「オプジーボはがん細胞が出すPD―L1の働きを阻害するので、PD―L1が多く発現しているケースの方がより有効だと考えられます。しかし、実際はPD―L1が多く発現しているのに効かなかったり、それほど発現していない患者なのに効果が認められる場合もある。つまり、どんな条件の人に効くのか、なぜ効果があるのかがはっきりわかっていないのが現状です。ヒトの免疫システムはPD―1/PD―L1以外にいくつもあるので、別の免疫システムに作用していることも考えられます。そのため、効果があるのは2割程度ですし、まったく効かないケースもあります」

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