細胞を直接攻撃しないため副作用が比較的少なく、条件が揃っている患者には劇的な効果が表れるケースもある。「有望な薬なのは間違いないが、まだよくわかっていない点も多い」と、岡山大学病院薬剤部の神崎浩孝氏(薬剤師)はこう続ける。
「オプジーボはがん細胞が出すPD―L1の働きを阻害するので、PD―L1が多く発現しているケースの方がより有効だと考えられます。しかし、実際はPD―L1が多く発現しているのに効かなかったり、それほど発現していない患者なのに効果が認められる場合もある。つまり、どんな条件の人に効くのか、なぜ効果があるのかがはっきりわかっていないのが現状です。ヒトの免疫システムはPD―1/PD―L1以外にいくつもあるので、別の免疫システムに作用していることも考えられます。そのため、効果があるのは2割程度ですし、まったく効かないケースもあります」