意外に知らないホルモンの実力

血糖値の調整役 膵臓からはインスリン以外の2種類も分泌

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 α細胞から出る「グルカゴン」は、血糖値が下がったときに肝臓のグリコーゲンを分解して、血糖値を上昇させる。もっとも多いβ細胞から出るのが「インスリン」。そして、この2つのホルモンの放出を抑制するのがδ(デルタ)細胞から出る「ソマトスタチン」だ。

 健康であれば、これらのホルモンが上手に作用し合い血糖値が一定にコントロールされる。それが自己免疫などによりβ細胞が破壊されてインスリンが出なくなると1型糖尿病を発症する。

 食べ過ぎや運動不足などが原因で、インスリンの分泌低下やインスリン受容体の反応低下が起こると2型糖尿病となる。

 糖尿病が悪化すると、インスリンを注射しないと血糖値が下がらない。しかし、インスリンには脂肪をため込む作用があるので、注射量が増えると太りやすくなる。

「インスリンは血中の糖分が上昇すると分泌されますが、実は食物が腸に入るとインスリンの分泌を促すホルモンが腸から出るのです。それが『インクレチン』です。血糖値を上げるグルカゴンの分泌を減らしたり、胃の動きを遅くしたり、脳に作用して食欲を抑えます。インスリンを側面からサポートしているのです」

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