がんとは何か

体内では毎日無数のがんが出来るのに健康でいられる理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 このとき最も重要な働きをするのが自然免疫のひとつである樹状細胞だ。獲得免疫全体の司令塔的な役割を果たすこの細胞は、がん抗原を認識すると活性化して、免疫に関わる他の細胞たちにその抗原を示すことでがん細胞の存在を通報する。攻撃力のあるT細胞のうちヘルパーT細胞はがん抗原を認識すると、キラーT細胞という殺し屋が活性化され、Fasリガンドなどの細胞障害性物質でがん細胞を攻撃する。一方、ヘルパーT細胞はB細胞に指示してがん抗原に対するがん抗体をつくらせ、これを特異的に結合させてがん細胞を除去する。

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